わたしを離さないで(劇場公開 2011年3月26日)

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こんにちは。銀次郎です。

この映画も予備知識をまったく得ずに観た映画です。

なんとも儚く切なく、命の尊厳を考えさせられる衝撃的な作品でした。

なんと、あの2017年ノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人であるカズオ・イシグロ氏の原作なんですね。

そしてご本人がこの映画の製作総指揮者に名を連ねているのも驚きです。

日本でも2016年に綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみ主演でドラマ化されています。

このドラマは見てなかったので一度見てみたいですね。


さて、この映画の主演女優のキャリー・マリガンは知らない女優さんでした。

調べてみるとイギリスの女優さんで、この映画でルーシー役のキーラ・ナイトレイが2005年に主演したプライドと偏見』にも出演してますね。

『トランスフォーマー』サム・ウィットウィッキー役や『欲望のバージニア』でホンジュラス兄弟の三男を演じたシャイア・ラブーフと一時期交際してたようです。


キーラ・ナイトレイについてはもう言うまでもありませんね。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのヒロイン、エリザベス・スワン役で大ブレークした女優です。

2018年11月30日公開の最新作『くるみ割り人形と秘密の王国』にも出演しています。


アンドリュー・ガーフィールドもFacebook創始者マーク・ザッカーバーグの半生を描いた『ソーシャル・ネットワーク』でマークの相棒役を演じ、おなじみ『アメイジング・スパイダーマン』で主演を務める超人気俳優です。


映像は1978年代後半から1990年代前半のイギリスの田舎の風景が素朴な感じがしてとてもいいんですよ。

寄宿学校ヘールシャムや廃業した農場の室内なんかは写真が趣味の自分に被写体にしたいくらいです。

全体的に室内空間の映像がローキー(暗めな雰囲気)で窓から入ってくる光の使い方が抜群にうまいんですよね。

そんな雰囲気を楽しめるのもこの映画の魅力だと思います。


ただ、そんな素朴な映像とは裏腹に、無垢な子供たちが待ち受ける未来はとても残酷です。

15歳になってその事実を先生から告げられて以降、子供たちは自分の未来に抗うことなく受け入れていることに、僕は違和感を感じました。

全寮制の寄宿学校を出てから社会を知ったり愛する人ができたりすれば、少なくとも「もっと生きたい」と思うはず。。。

と思っていたころに、先輩カップルが「愛し合っていれば3年の執行猶予が与えられる」という噂にわずかな望みを賭ける場面があり、やっぱそうだよなって納得しました。


そんな感じで物語は静かに進行しますが、なかなか心を揺さぶられる作品です。


さて、この映画が公開されたのは2011年3月26日。

あの東北大震災が発生してまだ間もない頃です。

僕がその頃住んでいた東京では計画停電などが実施され、「自粛ムード」が蔓延していたころです。


僕の記憶が正しければ、ちょうどこの日は上司から「東京での営業活動は難しいから地元に帰りなさい」と、東京生活の強制終了の宣告を受けた日でもあります。

それは東京でいい仲になっていた女性との終わりを意味する宣告でした。


お互いいつかこういう日が来ることは覚悟できてたので、仕方ないとすんなり諦めることができたんですが。

自分の未来を受け入れたヘールシャムの寄宿学校の生徒たちも同じような気分だったのでしょうか(違う)笑


さて、2011年は東北大震災の起きた年です。

この未曾有の災害は間接的にでも少なからず僕の人生に影響を与えました。

みなさんはどうでしたか?

中には心に深い傷を負った人も多いと思います。

でも、ヘールシャムの子供たちと違い、他人から「決められた強制終了」はありません。


少なくともどんなに辛くとも、今を一生懸命に生きるしかないんだと思います(今の自分にいい聞かせる意味で)。


■映画データ
キャスト
  • キャシー : キャリー・マリガン
  • トミー : アンドリュー・ガーフィールド
  • ルース : キーラ・ナイトレイ
 監督 ハラルド・ズワルト
 製作総指揮
  • アレックス・ガーランド
  • カズオ・イシグロ
  • テッサ・ロス
 劇場公開日 2011年3月26日(日本)
 原作『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ

■ストーリー(ネタバレあり)

1978年。思い出すのは緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校ヘールシャムだ。キャシー、ルース、トミーの3人は幼い頃から一緒に過ごす。外界と完全に隔絶したこの施設にはいくつもの謎があり、外で生徒が殺されたり、餓死したという。「保護官」と呼ばれる先生に教わり、絵や詩の創作はマダムのギャラリーに送られていた。学校では頻繁な健康診断も買い物の練習も行われる。キャシーはトミーからJudy BridgewaterのSongs after Darkというミュージックテープをもらい、その中の曲“Never let me go”を聴く。絵は重要ではないといい、「明解な説明がなされてない」「あなた方の人生はすでに決められている」「中年になる前に臓器提供が始まる」「大抵は3度目か4度目の手術で短い一生を終える」「自分というものを知ることで“生”に意味を持たせて下さい」と言ったルーシー先生は校長に辞めさせられる。

1985年、18歳になってみんな提供臓器によって施設に別れるのだが、3人はコテージと呼ばれる場所で共同生活を始める。恋人同士となったルースとトミーの傍でキャシーは孤立していく。他から来たクリシーとロッドは真剣な恋だと分かると「提供猶予」があるはずと訊くが噂話だといって落胆させる。海岸沿いでルースは自分の「オリジナル」かもという人を見るが、似てないと否定する。ルースは噂を信じ、ギャラリーに絵を提出していなかったと悔む。キャシーは介護生を申請してコテージを出ていくが、車には「国立提供者プログラム」と書かれている。ルースとトミーも別れ、3人の関係が断ち切られる。

「終了 1994年」。優秀な介護人となったキャシーは1回目か2回目の手術で「終了」になった人々との別れが辛くなる。看護婦は「覚悟していると本当に終了になる」と教える。ルースやトミーと再会を果たし、海岸へ行った時、ルースは嫉妬から2人を別れさせて悪かったと謝り、「提供猶予」が頼めるというマダムの住所を差し出す。昔キャシーがポルノ雑誌を見たのは、性欲からではなく自分のオリジナルを探すためだったことを僕はわかっていたとトミーが話す。3度目の手術でルースは「終了」。数年前からトミーが大量に描き始めていた絵を2人で持参し、マダムを訪ねるが、エミリー校長が出てきて今も昔も「猶予」はなかったし、絵は魂を探るためではなく、魂があるのかを知るためだったという。